違います。
 
我が社ごとき毛ジラミの卵程の零細企業が、ブラック企業と呼ばれる程、たくさんの従業員を抱えている企業様と同じテーブルに着けるはずがござんせん。
 
しかし、最近よく聞くこの「ブラック企業」って何ですか?
いつを境に「よくある企業」が「ブラック企業」の称号にレベルアップしたのですか?
どこかの政党が街頭で声高に叫んでますけど、「ホワイト」「グレー」「ブラック」みたいなランクで線引きされているのでしょうかね?
 
最近は職人や専門職の世界でも、同じような事を言う人間が増えたとか。
僕は19歳の時に料理の専門学校を卒業して、東京のフランス料理店(一応企業でした)に就職したのですが、朝8時から夜10時までほとんど休憩無しで働いてました。
休みも週1で給料も安い。
確かに車に轢かれて入院でもした方が楽なんじゃないかって思った時もあります。
先輩も同期もどんどん辞めて行きました。
その度に僕の仕事の負担は増え、出勤時間も早くなりましたが、僕は心の中で「ラッキー」と思ってました。
ただでさえ「天才」と呼ばれて次々と新しい仕事を任されていた僕が、上が居なくなったせいで、あっという間にナンバー2
なんせ料理を覚える事が目的ですから。
ホテルや一流店に就職した奴らが、未だにイモの皮むきをさせられている頃に、僕はデザートも魚も肉も調理し、ソースまで作っていたのですから。
 
きっと今でもまだそういう人達は居るのだと思います。
目的が明確で、仕事に誇りを持って居る人は、自分の職場環境を嘆いたりはしないのでしょう。
 
それがどんな職種でも「辛い時は登っている時」と自分を励まして頑張ってきました。
例え登り切る前に下山して、他の会社に移りまた新しい山を登っても、今まで登っていた山が辛ければ辛かっただけ、次の山は楽に登れます。
その時に「自分はけっこう高い所まで登っていたんだ」と実感できます。
 
そう考えると「ブラック企業」で働く事も良い経験だと思います。
ただ、登っている途中で体や心を病むようだったり、頂上付近で見えるであろう景色が、どうも綺麗じゃないんじゃねーか。。。と気付いたのなら、すぐに山を降りましょう。
 
必ずしもそれは「逃げ」ではありません。
 
頂上を征服する価値の無い山だってあります。
 
 
こんな僕ですら、とある飲食業の会社で統括マネージャーをしていた頃は、休みや残業、休憩時間などの管理は、社員からパート・アルバイトさんに至るまでキッチリ労働基準法を守ってました。
それが会社を守る事になると思ってましたからね。
でも、会社側から見ると、それは目先の利益を減らす行為のように映ったらしく、何度か会社とやりあった後、僕はその会社を去りました。
僕が辞めて2年もしないうちに倒産してしまいましたが・・・。ふふふ・・・。
 
また、独立する前に3年間働いていた不動産会社もかなり酷かったので、同期だったダメ営業マンから訴えられてお金払わされてました。
ダメ営業マンでも訴えれば勝てる所が労使関係。
僕に言わせりゃどっちもどっちですけどね。
 
僕の中では営業職なんて数字あげてなんぼの世界です。
だから元々営業職で入社しといて「数字あげられない奴は辞めろ=ブラック企業」 とは思いません。
 
ただ、必要の無い消火器売ったり、無理やりリフォーム契約したり、営業マン個人に自己契約させたり、騙さないと契約取れない商品やサービスを扱っている会社は間違いなく「ブラック企業」だと思ってます。中途採用の受け入れの幅が広い会社の中にはそういう会社も少なくないので要注意ですよ。
 
僕はブラック企業で働いても認められる自信は有りますが、もう嫌です。
 
 
出来レースのような選挙も終わり、この国がどうなって行くのか分かりませんが、子供達の世代に渡すバトンが少しでも軽いものになってくれる事を心から願っております。